2014年12月3日水曜日

[NYへの旅] 27. さようなら、ニューヨーク

13日目  3月28日(木)
一夜明けた午後、全ての滞在の日程を終えて、日本への帰国の途についた。
家族揃って初めての外国体験をしたロングアイランドを訪れ、ヒルダガードとの再会を果たした。さまざまな追憶を胸に、想い出の地を懐かしみ、友人知人と語り、さらに新しい事物にも触れて、充実した毎日だった。もう思い残すことはない。

ホテルからJFKまではリムジンを利用したが、他の乗客はいなかった。
運転手は人懐っこくて、まるで個人ガイドよろしく、空港までの観光スポットを説明してくれた。
それに、彼はセブンスデイ・アドベンティスト(アメリカの新興キリスト教のひとつ)の信者で、飲酒や喫煙はしない、コーヒーも飲まない、豚肉は食べない、土曜日は働かないなど、信仰のあれこれを話した。

搭乗までの時間の余裕をみていたので、空港では荷物を預けて身軽になった後、観光客をウオッチング。
面白かったのは、地方からの中高生の団体だ。
集合時間になったのか、三々五々集まってくる。先生が何やら指示しているが、賑やかで、言うことをまともに聞いていない。徹底できない指示にも問題ありだなあ・・・。
そのうちに、次々に名前を呼び出すアナウンスが響く。
傍にいる年配の男性教師が、興味津々で様子を眺めている私たちに気づいて、「これからスペインのバロセロナへの修学旅行に出かけるんです・・・」と話しかけてくる。
何度も同じ名前の呼び出しが繰り返されている。まだ飛行機に乗っていないのに、引率はさぞ大変だろう。「無事に修学旅行が終わりますように・・・」と、元高校教師は切実に思う。
かと思えば、仲良しのカップルが抱き合って、周りのことなど眼中にない。

搭乗手続きのチェックは、とてもとてもの二乗の猛烈な厳しさ。X線はもちろん、靴を脱ぎ、念入りなボディタッチなど、ピリピリする空気が漂い、テロ事件の警戒で人間不信を丸出しにしている。そんな警戒をしなくては、国家としての体面と安全が保てないのだと不幸な一面を痛感。現在のアメリカが抱える政治・外交の問題と国家の本音を垣間見る。
アメリカ人の友人・知人は素晴らしい仲間だと親近感を抱いているのに、個人を超えた問題は厳しい。
「アメリカへの旅は、最後になるだろうな・・・」と思いながら、搭乗した。

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